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モリンガ、青パパイア 水田転換畑でスーパーフード【12月2週号 山口県】

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 【山口支局】「農業をするなら珍しい作物を作ろうと思い、栄養価に優れたスーパーフードのモリンガと青パパイアの栽培を始めました。将来、学校給食の食材になったらうれしいですね」と話す山口市の長冨英一郎さん(60)と妻の千絵さん(59)。2021年に神奈川県横浜市からUターンし、実家の水田を畑に転換してモリンガ約10アールと青パパイア約5アールを栽培する。英一郎さんは「私たちは共に銀行員だったので、農業は何も分からない状態からのスタートでした。ある日、市内でモリンガを栽培している方がいると聞き、教えを請うため飛び込みで行きました」と話す。「モリンガと青パパイアは暑さに強いですが、越冬できないため苗を毎年植え替えます。虫や鳥に食べられることはないので作りやすいと思います。5月から約6カ月の栽培期間に2、3メートルの高さに成長するため台風対策が必要です」。昨年は台風の接近で被害を受けたため、今年は防風ネットの設置と竹製の支柱で対策を講じた。モリンガは枝の部分から手で収穫し、葉を食用にする。「市中で流通していない新鮮な生の葉をそのまま食べてもらいたい」と、近所のスーパーに出荷。収穫後3日目で葉がしおれるため、鮮度を保っているうちにスーパーから回収し、ほかの収穫した葉とともに天日干しして、乾燥した葉をシーズンオフに販売する。英一郎さんは「今年から化学肥料を使わずに栽培しています。安全・安心な栄養価の高い野菜にこだわりを持って、自分の納得いく出来を目指します」と意欲を見せる。

〈写真:モリンガの生育を見る長冨さん夫妻〉