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播種後1~2週間で収穫 耕作放棄地活用「ひげにんにく栽培」【12月1週号 新潟県】

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 【新潟支局】長岡市西川口の株式会社越後808(広井歩代表取締役)は、ハウス3棟で「ひげにんにく」を栽培している。同社は紐〈ひも〉の製造販売事業を手がける信越工業株式会社(山田宏和代表取締役)の農業部門の子会社として2011年3月に設立された。04年の中越地震以降、川口地域で過疎化が進み耕作放棄地が増えていた。何とかしたいという声が社内で多かったことから、農業への参入を決めたという。広井代表は「収益性や栽培特性を考え、ひげにんにくにたどりつきました」と当時を振り返る。ひげにんにくは、ニンニクから根と芽を伸ばしたもの。肥料や農薬は使わない軽石水耕栽培で、播種後1~2週間で収穫できる。年間を通じて栽培が可能だ。「芯まで加熱すると甘くマイルドになります。ニンニクらしい味や香りがありながら、においは弱めで気になりにくいと思います」と広井代表。短期間で収穫できる反面、発芽と温度管理が難しい。特に春から夏は発芽率が低いため、収穫量を確保するのに播種量を多くするが、変動が大きく安定した生産が課題だ。広井代表は「販路を全国に広げたいですね。加工品も含め、インターネット販売で個人のお客さまに注目していただければ」と話す。

〈写真:収穫したてのひげにんにく〉