農林水産省は6日、2023年8月の農林水産物・食品の輸出額が前年同月比7.9%減の1034億円となったと発表した。2カ月連続の前年割れ。東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を巡り、中国が日本産水産物の全面的な輸入停止を措置したことに加え、猛暑による国内農産物の生産減で輸出仕向け量が減った。1~8月の累計は前年同期比6.1%増の9355億円となっているものの、伸び率は鈍化した。政府は25年に2兆円とする達成目標を掲げ、10月末に策定する総合経済対策に支援策を盛り込む方針だ。中国政府に禁輸措置撤回を強く求めるとともに、国内供給力の強化へ輸出産地の育成・確保が課題となる。
(2面・総合)