和歌山県田辺市上芳養〈かみはや〉の日向〈ひなた〉地区では、ウメとかんきつを栽培する株式会社日向屋と野生獣の食肉処理施設「ひなたの杜〈もり〉」を運営する紀州ジビエ生産販売企業組合が連携し、獣害の減少に成功した。狩猟免許を持つ日向屋の4人がくくりわなを設置し、年間80~120頭のイノシシやシカを捕獲。ひなたの杜の解体担当が現場に出向き、止め刺しと血抜きをして衛生管理に優れた高品質のジビエ(野生鳥獣肉)を供給する。獣害を抑制し、日向屋は耕作放棄地の解消や剪定〈せんてい〉の作業受託など担い手として活躍。紀州ジビエ生産販売企業組合は開設3年目で黒字化を達成した。
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〈写真:温州ミカンを摘果する。左手前が日向屋の岡本代表〉