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収入保険・私の選択  経営全体の補償で加入決意【10月1週号 北海道】

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 【北海道支局】篠根克典さん(56)は「オホーツク・オーチャード株式会社篠根果樹園」の代表取締役を務め、北見市で3ヘクタールの園地にリンゴを約700本栽培。自家産果樹の加工品を作り評判を呼んでいる。篠根さんは、ほんのり甘酸っぱく昔懐かしい味が評判の品種「旭」を中心に、30品種以上のリンゴ、10品種ほどのプルーンの栽培に取り組み、品種を増やしてきた。以前は半導体業界に勤めていた篠根さん。父親がリンゴを栽培していたことから、2010年に脱サラを決意。現在は直売所でリンゴのほか、ジャムやシードルなどの加工品をインターネットや道の駅「流氷街道網走」で販売する。人気商品の一つが「旭りんごのジャム」。東京農業大学の網走キャンパス社会人講座で商品開発をしたことがきっかけで、リンゴ酢で糖度を調整し素材本来の味を楽しめる逸品だ。篠根さんはNOSAI職員の説明をきっかけに収入保険に興味を持ち、21年に加入した。「直売所で販売していることから、収穫量の正確な調査というのは難しいです。そのため、農家の経営全体を補償する収入保険が適していると考え、加入しました」と話す。21年から2年間は、干ばつでリンゴが大きく減収。22年は苗木にエゾシカによる食害が発生した。「不測の事態が起きる前に収入保険に加入していたので、加入したことでの"安心"を実感しました。被害発生から保険金請求の対応がスムーズで、本当に助かりました。収入保険は営農する上で、切っても切れない存在なので、今後も加入を続けていきたいです」と篠根さん。「これからは農薬を使わない栽培や有機肥料重視の施肥体系・農産加工品など新しい取り組みに挑戦したいです。消費者の笑顔のために、おいしいリンゴを追求していきたいです」と意欲を見せる。

〈写真:「旭」を中心に30品種以上のリンゴを栽培する篠根さん〉