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食用ホオズキ特産化へ連携 農高、福祉法人と商品開発【9月4週号 北海道】

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 【北海道支局】新十津川町徳富地区の小田秀一さん(62)は、カボチャ68アール、ビニールハウス16棟でミニトマト、スイカ、メロン、食用ホオズキなどを栽培。「徳富ほおずきの会」の会長を務め、会員とともに食用ホオズキを町の特産品にしようと栽培に力を入れている。同会が栽培する品種は食用向けの「太陽の子」。「とっぷベリー」と名付け、道内各地に出荷されている。観賞用のホオズキは実を包んでいる袋状の「ガク」がオレンジ色になるが、食用は黄色になるのが特徴。糖度が13度以上あり、収穫し生で食べることができる。甘さと酸味のバランスが良いことから、生食用だけではなく製菓の原料にも使われる。食用ホオズキの栽培は2月中旬から始まる。播種から発芽まで1カ月ほどかかり、その間の温度管理が重要だ。気温が低い時期はビニールハウス内の管理が難しいため、新十津川農業高等学校が苗立ちしたものを定植する会員もいる。5月下旬から6月上旬に定植し、成長につれて茎が折れやすくなるため、ひもでつるすなどの対策が必要だ。収穫は8月中旬から10月中旬まで続き、1週間程度追熟させてから出荷する。とっぷベリーのブランド化を目指し、新十津川農業高等学校や社会福祉法人明和会と連携。「ほおずきプロジェクト」を立ち上げ、商品を開発する。2023年2月には学生が考案したレシピをもとに、マフィンやレアチーズケーキ、大福などスイーツを販売し、知名度の向上を図った。「ホオズキの栽培が中山間地域の発展につながり、新十津川町の特産物になればと考えています」と小田さん。「今年は高温の日が続き、生育に影響が出ています。露地で栽培する生産者がほとんどなので、強風の影響を受けることもあります。今後は生産者が増え安定した供給ができればと思います」と話す。

〈写真:手作業で選果するため収穫した食用ホオズキを慎重に運ぶ小田さん〉