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収入保険・私の選択  果樹経営を守る強い味方【9月4週号 鳥取県】

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鳥取県南部町  岩田 充夫〈いわた・みつお〉さん(76)
 柿を作り始めて今年で17年目になります。毎年順調に出荷していましたが、近年はカイガラムシの被害に悩まされています。この害虫が木につくと、木は弱るし、すす病が実に発生して出荷できません。せっかくできた柿の多くを、廃棄してしまわなければならないのが残念で仕方ありません。この害虫対策として3年に1回を目安に、粗皮削りといって樹木の表面の皮を削ります。柿の表面の皮は虫が入り込みやすいので、この作業でカイガラムシが越冬できないようにします。数年前までは手作業で粗皮を剥いでいましたが、最近では高圧洗浄機で、粗皮を削るというよりは吹き飛ばしています。以前に比べ一本一本にかかる作業時間がだいぶ短縮され、重労働でもないので作業が楽になりました。今年の生育状況を見ると、猛暑の影響なのか虫の被害は無いですが、日焼けの果実が例年より目立ちます。軽度の日焼けなら気にはならないのですが、今年は日焼けの程度が深いと感じます。日焼けになった箇所が熟れて鳥についばまれています。このようなことは今まで見たことがありません。収入保険は幅広い補償と病気やけがで収穫できなかった場合でも補償の対象となることが精神的に安心できます。自己努力では避けられない減収のすべてが補償される収入保険は、果樹などの年1回しか出荷がない生産者の経営を守る強い味方だと確信しています。柿を作り続けている間は収入保険へ継続して加入していくつもりです。
 ▽柿40アール、水稲57アール (鳥取支局)

〈写真:柿の2度目の摘果に励む岩田さん〉