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収入保険・私の選択  幅広い補償に魅力と安心感【9月3週号 大阪府】

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 【大阪支局】「予想外の事態に備えるため、収入保険を選択した。安心感がある」と話すのは、柏原市でブドウ(ハウス3棟30アール)を栽培する松井善弘〈まつい・よしひろ〉さん(76)。2020年に収入保険に加入した。松井さんは、約35年前に父からブドウ園地を受け継いだ。収入保険に加入するまでは収入が大幅に減少した経験はなかったが、NOSAI職員の積極的な推進と知り合いの農家から勧められたことで、加入を決意した。加入後の20年2月、農作業中のけがで計画どおりに営農できなかったという松井さん。「加工用ブドウが増え、加工品業者へ出荷したが、収入が減少した」と振り返る。21年5月には病気を患い入院し、収穫時期と重なったことで約7割が収穫できず大幅な減収となった。「病気やけがで農業収入を補てんする保険はほかにはない。非常にありがたい」と笑顔を見せる。以前は果樹共済に加入していた。「収入保険は自然災害や病虫害による収量減少だけでなく、価格低下など幅広く補償されることに魅力を感じた」と移行した理由を話す。先祖代々の農地を守るという強い意志で農業を続けられているという松井さん。「経営安定のため、収入保険が続くことを願っている」と期待する。今後は「栽培面積を維持しつつ、直売所に訪れるお客さんの声を大事にしながら、高品質のブドウを作り続けていきたい」と意欲的に話す。

〈写真:「お客さんの『おいしい』の声に、やりがいを感じる」と松井さん〉