ヘッドライン一覧 購読申込&お問い合わせ 農業共済新聞とは? 情報提供&ご意見・ご感想 コラム防風林

野菜と米粉でパスタ商品化 地域貢献の商品展開【9月2週号 広島県】

230902_7.jpg

 【広島支局】ホウレンソウ(82アール)を軸に、露地野菜50アール、水稲2ヘクタールを手がける株式会社中原ファーム(北広島町中原)。代表取締役の多川純利〈まさとし〉さん(37)は「常に挑戦し続け、地域に貢献し、地域の農業のモデルとなる」を経営理念に、規模拡大、加工品製造へと前進する。周年でホウレンソウを栽培し、ハウス37棟で6.5回転させ、年間45万束を出荷。「天気で灌水〈かんすい〉が変わったり、虫が多い年があったりするので、先をどう読んでいくか。当たったときはうれしい」と話す。多川さんは2013年に新規就農。規模を徐々に拡大し、21年に法人化した。現在はパート従業員10人、特定技能のベトナム人2人を雇用し、多川さん夫妻と両親で営農に取り組む。多川さんは「中山間地域で農地をいかにして守っていくか」を考え、野菜の付加価値を高めようと、野菜を練り込んだパスタを商品化。ホウレンソウ、カボチャ、ニンジンそれぞれのスパゲティやマカロニをオンラインで販売する。加工を担当するのは妻の桂子さん(37)。自宅横の加工場で、野菜を乾燥させパウダー状にし、小麦粉・米粉と合わせてパスタを製造する。「『もちもちしておいしい』と言ってもらっている。ニンジンが苦手なうちの子も食べてくれる」。今年7月に販売を始め、贈答用としても力を入れていきたいという。桂子さんは「ほかの野菜を使った期間限定の商品などバリエーションを増やしたい」と話す。

〈写真:「加工品を成功させて、地域のモデル経営体になれれば」と多川さん夫妻〉