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収入保険・私の選択  米価下落 つなぎ資金を経費に【9月2週号 滋賀県】

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 【滋賀支局】米原市柏原の山根左近さん(49)が代表取締役を務める「有限会社ファームやまね」では、山根さんと従業員9人で、水稲85ヘクタール、麦40ヘクタール、大豆28ヘクタールを管理する。山根さんはもともと機械好きで、現在は最新の田植機や草刈機などを使いこなす。さらに効率の良い栽培を実現するため、生産履歴管理システムアプリ「フェースファーム生産履歴(ソリマチ株式会社)」を駆使している。父が生産していたころは25ヘクタールほどだったが、徐々に拡大し、2021年に法人化。新たな品種に取り組みながら、安定した経営ができるように、それまで加入していた水稲共済から収入保険に移行したが、その後間もなく米価が下落した。「米価の下落はどうしようもないし、努力のしようがない。収入保険はそういうときに補償してくれるのが良い」と山根さん。「ただ、その年の分の収益は何とかなったが、それだけじゃ経営はできない。従業員がいるし、翌年にゼロからじゃ経営はできないしな」と頭を抱えた。21、22年と米価が下がる中、つなぎ資金を経営資金に充てた。「収量は減っていないから、農業共済では対象にならなかった。収入保険なら補償対象となる上に、つなぎ資金まで受けられる。良い保険だ」。「経営規模が大きいと自己責任部分の1割が大きくなるため、なかなか保険対象になりにくい。大規模農家を助けるプランを検討してほしい」と制度の充実に期待を寄せる。

〈写真:「おいしくても高く売れるわけじゃない。でも、おいしさ、安さなどどれを取るかというとき、わが社の商品を選んでもらえるとうれしい」と山根さん〉