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収入保険・私の選択  回避できない事態の備えに【9月1週号 岩手県】

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岩手県宮古市  扇田 友和〈おうぎた・ともかず〉さん(38)
 祖父の遊休農地を利用して、2017年に就農しました。ブロッコリーやトマトなどの野菜2ヘクタールを両親と栽培し、堆肥を使うなど良質な土作りを意識しています。21年からミニトマト「アンジェレ」をハウス3棟(5アール)で栽培しています。契約栽培で販売価格が安定しているため収益性が高く、規格外品が少ない品種なので、夏季の主力品目になっています。19年10月の台風19号で圃場が冠水し、レタスは20アール分が出荷できませんでした。ほかの野菜の売り上げで減少した収入を補えましたが、自然災害など回避できない事態への備えは重要だと感じました。収入保険は、品目にかかわらず農業収入全体の減少を補償する制度という説明をNOSAI職員から受け、今年加入しました。万が一のときに支えになるので、安心して栽培に励むことができるようになりました。今後は栽培面積や品目の拡大、従業員の雇用などを検討しているので、心強い保険ですね。就農当初に青色申告を始めました。収支決算をしっかりすることで、農業経営の見直しにつながります。特別控除を受けられるメリットも大きいですね。収入保険に加入するには青色申告の書類が必要です。収支を明確にして経営を振り返るだけではなく、加入への第一歩として青色申告を始めることをお勧めします。
 (岩手支局)

〈写真:「収入保険はさまざまな品目の栽培に挑戦する後押しになりますね」と扇田さん〉