【山口支局】「ミカン栽培が健康の源です」と話す平生町の藤永正さん(93)。妻の綾乃さん(89)と、「興津早生」「南柑20号」などを30アールで栽培する。藤永さん夫妻がミカン栽培を始めたのは1962年。正さんは「町村合併を機に『ミカンを平生町の特産品にしよう』と取り組みを始めたのがきっかけです」と話す。綾乃さんは「主人が勤めに出ていたので、主に私が栽培していました。私は非農家で育ちましたので、ミカンに加え、当時は水稲も栽培していて大変でした」と振り返る。「以前は完熟してから収穫しましたが、3年前から収穫時期を早めました。青切りにしたことで、風味がより良くなります」と綾乃さん。樹勢の回復が早まり、次の年の花芽が着きやすいという。正さんは「高齢化で耕作放棄となった園地が増えています。同世代の農家は、みんな栽培をやめました。私たちが健康でいられるのもミカン栽培のおかげ。これからも栽培を続けていきたいです」と話す。
〈写真:摘果作業に励む藤永さん夫妻。「いずれは長男に栽培を継いでもらいたい」と話す〉