東京都農林総合研究センターは、小規模な園芸施設向けに、灌水〈かんすい〉チューブによる簡易な冷房技術を開発した。施設側面の防虫ネットに大粒のミストを噴霧し、水が蒸発するときに熱を奪う気化熱を利用。水蒸気は妻面の換気扇などで排出する。条件が合えば施設内の気温を2~3度下げられ、遮光資材や環境制御を組み合わせれば4度以上の冷却効果が見込める。導入コストが抑えられ、猛暑下での野菜の収量安定や作期拡大に期待されている。
(7面・営農技術・資材)
〈写真:試験で使っているノズルを指す中村主任研究員。「防虫ネットの内側に設置して、外向きに噴霧しても良い」と説明する〉