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ドローン活用で効率化推進 スマートアシスト機能付き乾燥機も導入へ【8月4週号 岡山県】

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 【岡山支局】「農作業にドローン(小型無人機)を活用して効率化を図りたい」と話すのは、真庭市上河内の白石壽平〈しらいし・じゅへい〉さん(62)。37歳で就農し、当初は水稲50アールの作付けから始めた。作付面積を徐々に増やし、58歳で水稲と大豆合わせて5.6ヘクタールに拡大。現在は5ヘクタールで栽培するほか、高齢化で農業ができない人が地域に増えたことから、稲刈りを7ヘクタール受託する。多様な品種を作付ける壽平さんは、田植え期や収穫期は1カ月半ほど多忙な毎日を送る。そのため、作業の効率化を見据え、スマート農業への挑戦を考えた。スマート農業への入り口として着目したのが農業用ドローンの導入。今までは1ヘクタールの薬剤散布に1日かかっていたが、ドローンであれば準備を含めても15分で作業が終わる。大豆の防除にも使用するなど、活用の幅が広いことも魅力だ。2023年2月にDJI製の農業用ドローンを購入。操縦には「農業ドローン技能認定証明証」を取得する必要がある。壽平さんは妻の香代子〈かよこ〉さん(53)と指定の教習施設で5日間程度の教習を受け、同年に証明証を取得した。飛行前には飛行申請、飛行後には日報の提出が必要だが、「飛行申請や日報の提出も、作業の効率化を考えると苦にならない」と壽平さん。今後はスマートアシスト機能付き乾燥機も導入する予定だ。作物の乾燥状態や水分量など、稼働状況が可視化できるため、効率性と品質の向上につながる。一方で、トラクターなどの買い替えは予定していないという。「田植機やトラクターもスマート農業機械を導入すればさらに効率化を図ることはできるが、代かきや田植えは自身でハンドルを握って、正確かつ丁寧なものにしたい」という強い思いがある。ドローンを使用して薬剤散布し、重労働をコンパクトにすることで生まれる時間を、自身が手間をかけたい作業時間に充て、スマート農業での効率化と自身の譲れない思いの両立を目指す。

〈写真:ドローンでの薬剤散布作業(7月)〉