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収入保険・私の選択 経営多角化に安心して挑戦【8月4週号 香川県】

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香川県まんのう町  吉川 直行〈よしかわ・なおゆき〉さん(44)
(吉川の吉は「土に口」)
▽ブロッコリー3.4ヘクタール、スイートコーン30アール、ナス20アール、水稲82アール、飼料用コーン1.9ヘクタール、WCS(発酵粗飼料)用稲48アール

 露地野菜をメインで栽培する私にとって、一番の不安要素は天候です。近年、ゲリラ豪雨など異常気象での被害は予想以上で、排水などの対策を十分にしても限界があります。収入保険の説明は、2018年にNOSAI青年部で受け、気象災害だけではなく、病気やけがで収穫ができない場合の損失なども補償してくれる、今までにない保険だと感じました。早速、税務書類の販売金額を基に、基準収入金額を職員に試算してもらいました。当初は就農して間もなく、規模拡大特例を適用しても納得いく補償金額に至らないため、加入を見送っていました。青色申告実績が3年以上でき、販売金額が伸び農業収入が安定した21年、その年選択できる最高補償で加入しました。まさにその年、つなぎ資金を申請することに――。原因は、ナスの市場価格の低下と、スイートコーンが霜の影響で生育不良になったことです。申請をして、自分が思っていたよりも早くつなぎ資金が振り込まれました。年末年始に控えていた農薬代や肥料代、苗代の支払いに充てることができ、非常に助かりました。経営の多角化に安心して挑戦できるのは、収入保険で一定の収入を確保できるからです。私が作付けする地区は町内でも特に農業の担い手が少なく、受託面積は年々増えています。耕作放棄地解消と経営安定のため、露地野菜に加え、21年から町内の牧場から依頼を受けた飼料用コーン、23年から町が主導するWCS用稲に取り組んでいます。作業は両親と従業員のほか、障害者施設に週1回依頼しています。雇用の充実は必須で、収入がなくても給料は支払わなくてはなりません。収入保険で収入安定が図れるので、作業を細分化し働きやすい環境を整え、さらに農福連携を進めていきたいです。(香川支局)