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全自動給水装置水張り名人 水位を感知、水門を開閉【8月4週号 山口県】

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 【山口支局】「この装置があれば、わざわざ田へ行かなくても水管理ができます」と話すのは、「全自動給水装置水張り名人」を自作した下関市の上野富士男さん(73)。「朝晩の水管理の時間を減らし、少しでも稲作を楽にしたい」と全自動給水装置を考案した。製作期間は約1週間で、軽トラックのバッテリーや電気柵のソーラーパネルなどを再利用している。「用水路に常に水が流れていれば、どの田でも利用できますよ」と上野さん。水門近くの田に、満水と低水を感知するための支柱を設置し、その上下に水位を感知するための浮きを付けた。水位が下がると浮きも下がり、自動で水門が開いて入水が始まる。水がたまると浮きが浮上し、水門が閉じる仕組みだ。上野さんは田植えの前に種もみを酸化鉄でコーティングし直播きする。育苗や苗の運搬にかかる時間と人件費を削減するほか、鳥害や病害の予防になっているという。農作業を工夫する上野さんは「時間も手間も省くことのできるアイデアを取り入れ、効率的に稲作を楽しんでいきたい」と意欲を見せる。

〈写真:水張り名人の本体を前に上野さん。「仕組みは単純なので故障箇所が分かりやすいです。装置に興味がある方はお問い合わせください」と話す〉