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防風林「問われる外国人労働者の雇用の在り方【2023年8月2週号】」

 ▼厚生労働省は、外国人技能実習生が働く事業所で2022年に7247件の労働基準関係法令違反が認められたと発表した。法令違反が疑われると監督指導を実施した約1万件の7割超に及ぶ。主な違反事項は、使用する機械などの安全基準、割増賃金の支払いなどだった。
 ▼農業の違反事例は186件あり、違反事項は賃金の支払い、年次有給休暇、安全基準の三つで6割を占めた。具体的には、参加を義務づける朝礼を労働時間にしていない(タイムカードを打刻しない)事例を紹介。是正勧告に従い、過去にさかのぼって約65万円の未払い賃金を支払ったとする。
 ▼生産現場の人手不足は深刻だ。技能実習生など外国人労働者なしでは経営維持が困難な農家や法人もあると聞く。ただし、円安もあって賃金は目減りし、悪質な事業者による人権侵害行為も複数指摘され、外国人労働者が日本で働く魅力は低下している。
 ▼政府は、人権への配慮や地域社会を共に支える観点で抜本的な制度見直しを検討する。職場としての環境改善も大切だ。