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収入保険・私の選択 経営基盤固め新たな挑戦も【6月4週号 高知県】

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高知県日高村  濱田 善久〈はまだ・よしひさ〉さん(62)

 収入保険に加入したきっかけは、以前に比べ単価が不安定になってきているという記事を新聞などで目にしたことです。NOSAIの職員からの勧めもあり、今後のことを考えて、制度が開始した年からの加入を決断しました。加入当初、トマトの売り上げは安定していて、保険を使うことはないと思っていました。しかし3年前、新型コロナウイルスの影響で価格が低下し大幅に収入が減少。収入保険の補てんがあり、改めて保険の必要性を感じました。昨年は、トマトの葉が黄色になって、開花しても実がつかなくなる黄化葉巻病が施設全体にまん延して、収穫量が減り、今年3月に保険金等の支払いがありました。年度末で経費の支払時期と重なっていたため、本当に助かりました。今年は黄化葉巻病に強い品種へ移行しました。栽培した経験がない品種なので不安でしたが、今のところ病気は出ておらず、収穫量が安定しているので、ホッとしています。新たな品種にチャレンジできたのも、収入保険に加入しているからこそだと思っています。加入の要件となる青色申告には税金の特別控除がありますが、そのほかにもメリットだと感じていることがあります。それは、会計ソフトに自分でデータを入力しているので経営の分析がしやすいことです。近い将来、息子へ経営を譲るつもりでいます。そのためにも、経営基盤を固めておくことが大事ですので、収入保険を選択したことは間違っていなかったと思います。
 ▽ハウストマト28アール
 (高知支局)

〈写真:「父が栽培していたトマトの味に感銘を受けて、大阪で所属していた劇団を離れ、経営を受け継ぎました。あれから25年の月日が流れ、今では年金受給まであと少しとなりました」と濱田さん〉