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見える化で霜対策に成果【6月4週号 石川県】

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 【石川支局】加賀市奥谷〈おくのや〉町の奥谷梨生産組合(灰谷信剛〈はいや・しんご〉組合長=43歳)では、温湿度をデータ化するスマート農業システムを導入し、ナシの霜対策などに役立てている。同組合では農家27軒が32ヘクタールでナシを栽培。以前は農家が個々に計測していたが、ナシ団地全体で7カ所に観測地点を設けた。奥谷地区の園地には高低差があり、上部と下部の気温は1度以上異なる。観測を統一したことで、霜が降りやすい園地と降りにくい園地を明確化できたという。組合員の奥村嘉康〈おくむら・よしやす〉さん(61)は「温湿度がリアルタイムで分かるため、防霜ファンを動かす目安として活用している。放射冷却があるので完璧とはいえないが、早めに対策できるので以前より楽になった」と話す。現在、同組合では新規就農者が増加傾向にある。灰谷組合長は「温湿度の"見える化"で、経験差があっても被害の傾向と対策が見えてくる。熟練の農家にとっても防除のタイミングが分かりやすい」と導入のメリットを話す。

〈写真:「NOSAIの病虫害調査も栽培に役立っている。今後も続けてほしい」と話す灰谷組合長(左)と奥村さん〉