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雑草を抑えるアイガモロボ【6月3週号 新潟県】

 【新潟支局】「田んぼに入れておくだけで除草作業の回数が減り、有機米栽培の助けになります」と話すのは、株式会社ヰセキ関東甲信越新潟営業部新潟推進グループの安岡茂人課長。井関農機株式会社では2023年1月に、水稲有機栽培での除草作業の労力低減を目的に「アイガモロボ」の販売を開始。水田の新たな雑草対策として注目を集めている。21年に農林水産省が策定した「みどりの食料システム戦略」では、50年までに日本の耕地面積の4分の1を有機農業に拡大することを目指している。水稲の有機栽培は、消費者の安全・健康志向の高まりなどを受けて少しずつ拡大しているが、課題が多い。農薬使用に制限があるため、生産者は雑草対策に多くの時間をとられ、慣行栽培と比較すると大きな負担となっている。アイガモロボは田植え後に投入するだけで、専用アプリで設定した範囲を移動していく。抑草の仕組みはシンプルだ。機械下部のスクリューが水流を起こし、泥を巻き上げて水を濁らせ、背の低い雑草は光を遮られて成長が抑制される。さらに、土壌の表層5ミリにトロトロ層(粒子の細かい泥の層)が形成され堆積することで、雑草の種子を覆い発芽を防ぐ効果も期待できるという。ソーラーパネルで充電しながら稼働するため、途中で燃料を補給する手間はない。大人1人で持ち運べる軽さや、メンテナンス性の良さもアイガモロボの優れた点だ。安岡課長は「ほったらかしにしておいても雑草対策をしてくれるので、有機米生産者の労力低減につながる大変魅力的な商品」と期待を寄せる。