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サブスク方式で通年出荷 夏イチゴのおいしさアピール【6月2週号 長野県】

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 【長野支局】「南信州いちご村」の屋号でイチゴの収穫に精を出す飯田市松尾の林紀行さん(31)。夏イチゴのPRも兼ねて、年間を通じてイチゴが購入できるサブスクリプション(定額制=サブスク)に2023年から取り組んでいる。通年出荷できるように、季節によって栽培地を変えるという紀行さん。標高の低い豊丘村で「章姫」「紅ほっぺ」「アウリ」など冬イチゴ7品種を約13アール、標高の高い阿南町新野では「サマーリリカル」「サマープリンセス」の夏イチゴ2品種を約20アール、それぞれハウスで栽培する。紀行さんは就農して4年目で、一般企業で流通の経験をした後、父の浩志さん(62)から農業を教わり、昨年1月に後を引き継いだ。元々はイチゴ狩りをメインにしていたが、新型コロナウイルス感染症をきっかけに、インターネットを中心とした出荷販売に切り替えた。国産の夏イチゴは酸味が強く、業務用のイメージが強いが、浩志さんがおいしい夏イチゴの生産ノウハウを持っていたこともあり、その魅力を多くの人に知ってほしいという思いがあったことも、サブスクを始めた理由の一つだ。今年は10件ほどにサービスを提供しているが、生産量を考えながら受け入れ件数を増やせればと考えている。「夏のスーパーなどでは取り扱っていない新鮮なイチゴを味わえることがサブスクの良さ」と紀行さん。「将来的には地域の夏イチゴ栽培者を増やしていきたい。その先駆けになれば」と話す。

〈写真:「自信を持ってお届けします」とイチゴをPRする紀行さんと妻の里沙さん〉