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自ら仕留めた有害獣活用 愛犬の好物「骨ガム」販売【5月1週号 広島県】

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 【広島支局】三次市秋町の中原さほりさん(37)は、自ら仕留めたシカやイノシシの骨で、犬用の骨ガム「わんわんのかみかみ*」を製造。骨ガムは犬のおもちゃや歯磨きとして使われ、中原さんの愛犬サンの好物だ。「人工的なものではなく、自然なものをあげたかった」と中原さん。2019年に「宮野商店」を立ち上げ、骨ガムの製造・販売を始めた。あばら骨をカットした小型犬用、太めのあばら骨は中型犬用、大腿〈だいたい〉骨などの太い骨は大型犬用だ。シカ肉を使った犬用ふりかけも商品化し、同市の交流体験施設「トレッタみよし」やオンラインショップ「楽天市場」で販売する。消費者から「ほかのは口にしないけど、中原さんのはかみかみする」といった感想が届くという。中原さんは役所に勤めていた関係で、14年に狩猟免許を取得。猟友会のメンバーと有害鳥獣駆除に取り組んできた。現在は子育てをしながら、わなをメインに年間30~40頭を捕獲する。骨ガムは、骨を乾燥させ桜チップで燻製〈くんせい〉にしたものだ。腐ったり、虫やカビがついたりしないように乾燥剤を一緒に梱包〈こんぽう〉し、部位によっては袋を2重にする。山間部に位置する中原さんの地域では、シカの被害に悩む農家が多く、駆除を頼まれたり相談を受けたりすることがあるという。「6月末ごろまでは2人目の産休に入るが、今後、コンサル業を充実させるために、獣害対策や動物の生態をもっと勉強したい」と話す。
*=登録商標マーク

〈写真:骨ガム作りのきっかけとなった愛犬サンと中原さん〉