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サクランボ経営の安定へ 収入保険加入は不可欠【4月1週号 北海道】

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 【北海道支局】有限会社大橋さくらんぼ園を経営する大橋正数さん(58)は、芦別市上芦別町で7ヘクタールの園地に約60品種のサクランボを1500本栽培。6月末から8月末までサクランボ狩りが楽しめる同園には、海外からも多くの観光客が訪れ、北海道を代表する観光果樹園の一つとして知られている。サクランボは毎年5月に花が咲き、6月に実がつき始めるが、2008年は3月の急激な気温上昇で4月の早い時期に花が咲いた。5月上旬には降霜が発生し雌しべが消失。約6割の木に実がつかなかった。さらに11年、14年にも同様の被害が発生し、収入が8割減となった年もあったという。大橋さんは「霜対策で暖房や早期にビニールハウスを被覆するなどの対策を講じても、どうにもなりませんでした。サクランボは春先につまずいたら、その年の経営に甚大な影響を及ぼします。販売収入に対して補償される収入保険は分かりやすく、さまざまな減収要因にも対応できるので、すぐに加入を決めました」と話す。21年は、新型コロナウイルス感染症の影響で入園者数が大きく減少したほか、春先の低気圧通過に伴う強風で、ビニールハウスとサクランボに大きな被害も発生した。収入減少が大きく見込まれたため、NOSAIへ事故発生を通知し、つなぎ融資を受けた。手続きは簡単で、希望してから受け取りまでわずか1カ月程度。経費を削減し、ギリギリの経営状況だったので、加入して本当に良かったと実感したという。「保険金をもらわないことが一番です。自然を相手にして、安定した経営を維持するため、さまざまな工夫をしていますが、うまくいかないこともたくさんあります」と大橋さん。「収入保険に加入していることで、安心して経営することができ、新たなことに挑戦する意欲も湧いてきました。収入保険と園芸施設共済は、私には欠かせません。今後も農業者に寄り添い、日々変わる農業情勢に見合った保険になっていくことを願っています」と期待する。

〈写真:「営農に収入保険と園芸施設共済の加入は欠かせません」と大橋さん〉