ヘッドライン一覧 購読申込&お問い合わせ 農業共済新聞とは? 情報提供&ご意見・ご感想 コラム防風林

防風林「サクラサク春を迎えて【2023年3月3週号】」

 ▼東京・靖国神社の桜の標本木が14日、開花した。気象庁が開花を確認するソメイヨシノでは全国で一番早い。昨年比で6日、平年比で10日早く、2020年、21年の記録と並び、統計開始以来で最も早い開花宣言という。今年は3月に入って全国的に気温が高く推移し、開花が早まった。
 ▼気象庁が定める桜の標本木は、全国に58本あり、花が5~6輪咲くと開花宣言となる段取りだ。靖国神社の標本木には、開花が近づくとテレビ各社のカメラが日参し、気象庁職員よりも早く、「○輪咲いた」と報道する。大げさと思いつつ、花見文化が根付いた日本人として、わくわくする気持ちもある。
 ▼ソメイヨシノは、江戸時代の終わりから明治にかけ、現在の東京都豊島区駒込辺りで育成された。オオシマザクラとエドヒガンの交配種で、全国の公園などに多く植栽されている。成長が早く、新芽が出る前に花が木を覆い尽くすように咲く特徴が好まれたためだ。
 ▼今年は、コロナ禍で中止や自粛が続いた花見の宴会やイベントを解禁する動きが広がっている。以前の日常が少しずつ戻るようでうれしい限り。ただ、沈静化しているとはいえ、コロナ禍は収束したわけではない。何事も過ぎないよう気をつけたい。