「清く豊かな水があるから、おいしいお茶が生産できる。今年もこの地でお茶を作り、魅力を発信していきます」と、より強い思いで春作業に励むのは、静岡市清水区中河内の「清照由苑(せいしょうゆえん)」代表の鈴木照美さん(63歳、茶1.3ヘクタール、ワサビ3アールなど)。静岡県を中心に記録的な大雨をもたらした昨年9月の台風15号災害からまもなく半年。農地への土砂流入など大きな被害を受けたが、復旧・復興へ歩みを進めている。
約800年の歴史を持つ本山茶産地にある「山翠園藤田製茶」(静岡市葵区新間、茶約5ヘクタール、ジネンジョ約1ヘクタールなど)を訪ねた。代表の藤田匠さん(37)は「茶価の低迷や高齢化で引退する農家が増える中、本山茶の味を守る担い手として地域の農地を受け継ぎ、経営を発展させていきたい」と意欲を見せる。
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〈写真上:「お茶の魅力や効能をもっと多くの人に知ってもらえるようPRしていきたい」と「清照由苑(せいしょうゆえん)」代表の鈴木照美さん〉
〈写真下:「山翠園藤田製茶」代表の藤田匠さんは「農業は自分で計画し実行したことに結果が出て、それを次につなげられる面白さがある」と話す〉