山間の急傾斜地に位置する埼玉県秩父市吉田石間(いさま)の沢戸(さわど)集落では、点在する畑地約7ヘクタールの草刈りや農道・遊歩道の整備などに住民一体で取り組み、集落の環境や景観の維持に努めている。一部農地では、条件不利地でも低樹高で管理しやすいカボスやユズ、ミカンなどの果樹を栽培し、市内の道の駅などに出荷。販売収入を得ながら遊休農地の発生を防いでいる。活動は吉田石間地区全体で組織する「天空だんべぇ石間協議会」に広がり、遊歩道や名所をまとめた散策マップを共同作成し、険しい傾斜地に築かれた集落の魅力を発信。多くの人を呼び込み、住民がガイドを担当するなど、活気を生んでいる。
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〈写真:新井初男さん(左)が管理するカボスを見る同協議会の新井ひこ次会長〉