穀物の国際価格の高止まりや円安に伴う飼料・資材費の高騰は、いまも終わりが見えない。経産牛40頭、育成牛30頭を飼養する富山県高岡市佐加野東の青沼光さん(36)は、飼料代を捻出するため、昨年は育成牛20頭を売却した。規模拡大に向け、牛舎の増築計画が進む中での誤算だ。エコフィードの活用など生産費低減に努めているが、建築資材の高騰で、建築費は計画よりも約5千万円高くなるなど苦境に立たされている。今年から発酵粗飼料(WCS)用稲など10ヘクタールを耕畜連携で栽培するなど自給飼料の生産を危機打開への一歩としたい考えだ。
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〈写真:建築中の牛舎の前で青沼さん(右)と従業員の佐藤佳樹さん(27)。増頭に向け、昨年11月から雇用している〉