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収入保険・私の選択 担い手確保へ複合化【2月3週号 富山県】

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富山県入善町 農事組合法人島・代表理事 藤田 保生〈ふじた・やすお〉さん(72)
〈農事組合法人島〉水稲約40ヘクタール、大豆約18.3ヘクタール、サトイモ約36アール、イチゴ900株

 水稲や大豆の主穀作に加え、サトイモやイチゴなどの野菜を栽培する複合経営です。2006年に法人を設立し、当時は水稲だけの経営で転作作物は委託していました。しかし委託経費や通年雇用による労働力の確保が難しく、このままでは今後の経営が厳しくなると思い、複合経営にシフトすることを決断しました。まず委託していた大豆を組合で栽培し始め、2年前からはハウスでのイチゴ栽培にも取り組んでいます。イチゴ栽培のメリットは、担い手の確保につながることです。作業期間が農閑期の12月から翌年6月までのため、通年雇用での採用が可能になります。担い手の確保に向けて、新規就農フェアや高校生への見学会などで取り組みをアピールできます。しかし初期投資が高いことに加え、天候や環境によるさまざまな影響を受けやすいため、イチゴの生育にふさわしい環境を整えることは難しいです。ハウスに雪が積もると日光が当たらず日照不足になることや、受粉活動をしてくれるハチの動きが鈍い日があるなど、毎日管理しないと分からないことも多く、悪戦苦闘の日々です。多品目を栽培しているので、減収や価格低下に備えて収入保険に加入しています。収入が減ったとき、品目ごとの補償では保険金の対象になりませんでしたが、すべての品目が対象の収入保険は理想的ですね。今後は担い手の確保をしつつ、外部委託に頼る部分を減らしていきたいと考えています。リスク分散は毎年見直していく必要があります。余裕ができればイチゴハウスの増設に投資したいです。
 (富山支局)

〈写真:右から藤田さん、従業員の長谷川健一さん(40)、中瀬貴幸さん(25)。藤田さんは「若い力で農業を支えてほしいです」と期待する〉