2023年は、国連が定めた「国際雑穀年」。健康で持続可能な食生活に向け、雑穀の栄養価や機能性など発信し、生産や消費を促す。国内でもコロナ禍を契機に健康志向が高まり、特に家庭向け需要が伸びている。「生産や販売の体系ができてくれば未来がある品目」と、岩手県二戸市浄法寺で雑穀8ヘクタールなどを栽培する田口拓実さん(26)。県北農業研究所などに協力を得ながら、規模拡大に対応した移植体系や機械除草などに挑戦している。県北部では、省力技術の普及や市町村をまたいだ生産・販売支援など、地域ぐるみで、歴史ある雑穀生産を将来へつなげようと連携している。
(1面)
〈写真上:除草に使う農機を説明する二戸市浄法寺の田口拓実さん。「春のうちに防ぎきれば、夏はほとんど除草が必要ない」と話す〉
〈写真下:軽米町の尾田川農園の尾田川勝雄代表。同農園では朝食や間食で食べやすい雑穀入りシリアルなども開発している〉