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防風林「震災の経験を防災に生かす【2023年2月2週号】」

 ▼トルコ南部で6日に発生した地震による死者数は、9日時点で隣国シリアと合わせ1万5千人を超えたと報道されている。ニュースでは、集合住宅など大きなビルが崩れ、がれきの山になる映像が流れた。突然命を絶たれた人たちの冥福と早期の復旧・復興を祈りたい。
 ▼調べると、今回の地震発生地域では200年以上も大きな地震はなく耐震性のある建造物は少ないという。ただし、トルコを通る断層はいくつもあり、大きな地震がいつ起きても不思議ではなかったようだ。地球の地殻はいくつかのプレートに分かれ、プレートが動く際の摩擦が地震を引き起こす。残念ながら人類にはあらがう力はない。
 ▼今年は関東大震災から100年の節目だ。内閣府や気象庁はインターネット上に特設サイトを公開する。首都直下地震や南海トラフ地震など大規模災害の発生リスクに直面する状況から防災や災害時の適切な対応を考える機会にしたいとのねらいがある。
 ▼間もなく東日本大震災の発災から12年になる。太平洋沿岸地域では津波で多くの命を失った。何度も津波に被災した歴史があり、「津波てんでんこ」など"地震の際は何を置いても逃げろ"と伝えられていたのに逃げ遅れた人も多かったとの指摘がある。
 ▼年月が経過すると知識があっても実感が伴わなくなるのかも。忘れないこと、正しく行動することの伝承が課題だ。