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事故率減少、寿命延びる牛 粗飼料を柱に昼夜放牧【2月1週号 岩手県】

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 【岩手支局】九戸村江刺家〈えさしか〉の小井田立体農業研究所(小井田寛周〈こいだ・ひろのり〉代表=36歳)の農場では、3ヘクタールで乳牛11頭と採卵鶏70羽を飼養。乳牛は搾乳作業時間を除いて昼夜放牧する。同農場では10年前から、放牧酪農が盛んなニュージーランドの種牛を使って交配。現在、ニュージーランド由来の牛が全体の3分の2を占める。体が小さく足腰が丈夫で、牧草を牛乳に変える能力に優れているのが特徴だ。牛の餌には農場内や同村内で採草した牧草ロール、稲わらなどの粗飼料を中心に、発酵させたおからを補助的に与える。「稲わらは食物繊維が多く、発酵させたおからはタンパク質などの栄養分が豊富で、配合飼料の代わりになる」と小井田代表。1頭当たりに与える配合飼料は1日2~3キロ程度だという。「ニュージーランド由来の牛は牧草を好み、配合飼料をあまり与えなくても乳量が得られる」。小井田代表は「昼夜放牧を始めてから病気になる頭数が減少し、1頭当たりの寿命が延びた。牛のストレスを軽減させるために、今後も放牧経営を継続したい」と話す。

〈写真:「粗飼料の自給率を上げて、飼料の高騰に耐えたい」と小井田代表〉