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全国共進会で優等賞1席 後輩につなぎたい【2月1週号 鹿児島県】

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 【鹿児島支局】第12回全国和牛能力共進会が2022年10月に開かれ、特別区「高校および農業大学校の部」に出場した県立曽於高等学校(前田良文校長、曽於市末吉町)は、優等賞1席という成績を収めた。引き手を務めた矢野輝星〈ひかる〉さん(3年生)は「地域の方々の支えがあってここまで来ることができた。みんなの思いが形になった」と喜びをかみしめる。出場したのは19年に計画交配で誕生した「しえな」と、同校畜産食農科畜産コースの生徒で構成する畜産同好会の矢野さん、小倉香澄さん(3年生)、德重美南海さん(2年生)、田實夢佳さん(1年生)。大会に向けての準備では「体高が目標値より大きいことが課題だったので、改善策を出し合い、練習を繰り返した。日誌を付けて全員で情報を共有し、管理・調教したことで、問題が起こったときにスムーズに相談できた」と振り返る。「美しい姿勢の維持」を目標に、午前中は繋牧〈けいぼく〉、放課後はブラッシングやシャンプー、引き運動を実施。矢野さんは「引き運動では約20分間つきっきりで走ることもあり、体力的につらいときもあったが、積み重ねたことで信頼関係を築けた。しえなの変化に誰よりも気付けるようになった」とほほ笑む。同校畜産食農科の太田裕士教諭は「最初は指示を待っていた生徒たちが、自分たちで話し合い、考えながら世話や調教をするようになっていた。時には生徒自ら指導員さんに相談に行ったりと、成長を感じる一年だった。授業だけでは学べない貴重な経験になったと思う」と話す。同校では、県共進会に向けて準備を始めている。矢野さんは「習得した技術や知識を後輩につないでいきたい」と力強い。

〈写真:全共に出場した「しえな」と矢野さん〉