愛知県豊田市・押井集落の集落営農組織「一般社団法人押井営農組合」は、中山間地域で良食味米生産を続けるための経費分を、都市住民などの契約者が支払う「自給家族」として展開する。100家族が契約し、特別栽培の玄米60キロの供給見込みに対して、地元農家と同等の栽培経費3万円を負担。水田約3ヘクタールの維持に貢献している。「水田を守るため"高く売る"から、"みんなでつくる"に発想を切り替えた」と代表の鈴木辰吉さん(70)。稲作自体は組合が担う一方、地域行事などに招き、交流の場を設ける。安定した食の確保を求める消費者と、集落存続を目指す地元農家が対等な関係性で水田維持を図る。
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〈写真:「ミネアサヒ」を渡す代表の鈴木辰吉さん(右)。契約者の鈴村さん夫妻(左)が車で集落を訪れた〉