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防風林「侵攻を早期に終結し、飛躍の年に【2023年1月1週号】」

 ▼新たな気持ちで新年を迎えたい。しかし、ウクライナ情勢とその影響が大きく、すっきりとしない。燃料や穀物など供給網の混乱と価格高騰は続き、光熱費や食料品の相次ぐ値上げなど日本の国民生活にも影を落とす。燃料や飼料、肥料などの高騰で国内農業の危機的な状況も続く。
 ▼政府は、影響の緩和と輸入依存度を低減する施策を講じている、食料安全保障の強化を課題とし、食料・農業・農村基本法見直しを念頭に、現行基本法と施策の検証も始まった。輸入依存度の低減方策では、国産飼料の増産、家畜ふん尿や下水汚泥など未利用資源の活用などが示されている。
 ▼農業に起因する環境負荷の低減を目指す「みどりの食料システム戦略」では、輸入原料や化石燃料を原料とした化学肥料の使用量30%低減などの目標を掲げる。有機農業を耕地面積の25%(100万ヘクタール)に広げる取り組みは資源循環が基本だ。つまり農業分野の環境負荷低減は、輸入依存度の低減にもつながるものだ。
 ▼政府は2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする目標を掲げている。自然災害が頻発化、激甚化する要因とされる地球温暖化をくい止め、化石燃料などの有限な資源を大切に扱う意味もある。大きな生産転換となるが、国民理解と十分な支援が伴えば不可能ではないだろう。
 ▼うさぎ年は、跳ぶ姿から「飛躍」や「景気の好転」「新たな挑戦」の年とされる。まずは侵攻を早期に終結し、世界を覆う閉そく感の打破を。そして飛躍へ。