【岩手支局】2014年に就農した二戸市浄法寺の田口拓実さん(26)は、現在8ヘクタールの畑で8種類の雑穀を栽培する。昨年は合計2.9トンをJAへ出荷。家族3人で栽培しているため、効率的な作業を目指して先輩農家や二戸農業改良普及センターから学び、独自の雑草防除に取り組む。田口さん方では、雑穀の収穫が終わった10月下旬に粉状の石灰窒素を畑へ機械で散布する。石灰窒素の成分で雑草の発芽が誘発されたところを冬の寒さで枯死させることで、除草効果が期待できるという。雑穀は全種類で移植栽培する。5月にセルトレーに播種し、1カ月ほどハウスで育苗後、畑へ移植。田口さんは「苗の生育を進めているため活着が早い。雑草と区別がつきやすくなり、除草しやすい」と話す。作付面積が広いイナキビやアワは、省力化するため直播栽培にも取り組む。1日吸水させた種を使い、発芽までの日数を短縮している。「吸水させた種を直播すると、発芽と生育が早くなる。雑草との生育の差を広げることで除草作業の手間が軽減した」と田口さん。「今後も移植と直播栽培を組み合わせて作業の効率化を進めたい」と話す。
〈写真:「播種時期や管理方法を毎年変えて、品種に適した栽培を研究する」と田口さん〉