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IPM活用のシシトウ栽培 働きやすい環境づくりも【10月4週号 高知県】

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 【高知支局】南国市でシシトウ20アールを栽培する山本晋佑〈やまもと・しんすけ〉さん(40)は、環境への負荷を軽減する技術を導入し生産に取り組む。2人の子どもを育てながら、子育て世代が働きやすいように時短勤務などを取り入れ、雇用の創出で地元に貢献しようと意欲的だ。東京で会社員として働いていた晋佑さんは、35歳で就農・移住を決意し、高知県にIターン。両親の出身地が第1候補地だったという。東京で開催されていた「こうちアグリスクール」や県立農業担い手育成センターでの研修、南国市のシシトウ農家の下での長期研修を経て2020年に就農した。「研修で教わった『IPM(総合的病害虫・雑草管理)』を活用しているため、農薬の使用を減らすことができ、安心して食べていただけます」と晋佑さん。オンライン直売所「やままやさい」で、とれたてを当日発送し、新鮮さが喜ばれ評判は良いという。雇用面では、短時間勤務や不定期勤務を可能にするなど、子育て世代が働きやすい環境を提供する。妻の綾乃〈あやの〉さんは、手作りした募集のチラシを子育て支援センターに設置するなど積極的に協力した。現在10人を採用し、「チラシやママ友同士の口コミで集まってくれました。平均2、3時間勤務で働いてもらっています」と綾乃さん。晋佑さんの仕事の息抜きは、小学2年生の娘と年少の息子と遊ぶこと。子どもとの時間を何よりも大切にしているという。「まだ3年目で、今がスタートラインという感じ。今年から炭酸ガス発生装置を導入したので、今後はさらに基盤を整え、収量10トンを目標に安定して栽培できるようにしたい」と晋佑さんは話してくれた。

〈写真:「県の新規就農支援の取り組みを広められたら」と晋佑さん〉