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日常を写真に、川柳を募集 牛乳消費拡大に一役【10月2週号 北海道】

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 【北海道支局】阿寒・釧路地域で酪農に従事する女性5人のグループ「Becotto(べこっと)」は、「釧路で生きる酪農女性写真展」と「酪農&牛乳あるある川柳展」を、東京都内のモンベル御徒町店で9月23日から開催した。酪農の仕事や牧場での生活、獣医師・家畜人工授精師などの仕事風景を撮影した写真や川柳を展示。酪農の現場を身近に感じてもらうとともに、牛乳の消費拡大に一役買った。同グループは2016年に結成した。「酪農生活を楽しむ」を活動の基本に、交流会や牧場経営の改善に役立つ勉強会に参加。写真展やオリジナルグッズの制作・販売も手掛け、活動の様子は交流サイト(SNS)で発信する。グループの代表・籔内直美さん(35)は、釧路市で乳牛110頭ほどを飼養する浅野牧場で働く。写真・川柳展を開いたのは、関東圏の消費者に釧路管内の酪農と牛乳をPRするためだ。酪農に携わる関係者のモチベーションアップにもつなげたいとする。会場では籔内さん、同グループ副代表の金子睦さんらによるギャラリートークを開催。展示した写真の紹介や川柳の解説などを披露した。写真は、22年6~7月に浅野牧場やモデル協力者の牧場で撮影。カメラマンはメンバーの知人らが担当し、モデルはJA阿寒女性部、NOSAI北海道(北海道農業共済組合)の獣医師、家畜人工授精師らが協力した。酪農が盛んな釧路地域で活躍する女性の働く姿や牧場の暮らしぶりを撮影。搾乳、給餌、哺育などの作業風景だけではなく、牛との距離感や互いの表情を捉えた。川柳展では、酪農に関する愉快な体験や牛との思い出、牛乳にまつわるエピソードを募集。全国から集まった74人192句をすべて展示した。応募作品はメンバーで選考会を開いた。最優秀賞に該当するBecotto賞は、秋田県の酪農家が応募した「蹴らないで 哺乳したじゃん 三年前」に全員一致で決定。ミルクを与えかわいがったのに、大きく成長した牛に蹴られてしまう悲しさにメンバーの共感が集まった。同グループでは「今後、道内各地で展示会を開催できたらうれしいです。たくさんの人に見てほしいです」と意気込んでいる。

〈写真:川柳を紹介する籔内さん(写真提供=農林水産省北海道農政事務所釧路地域拠点)〉