農林水産省と環境省は8月30日、2021年度のシカ、イノシシの捕獲頭数が前年度7%減の125万3573頭になるとの見通しを明らかにした。生息頭数が減少したとみられるイノシシの捕獲頭数減少が影響した。農作物被害額は同10%減の55億5千万円。近年の捕獲強化によって3分の2程度の都府県で農作物被害額が減少した。しかし、シカの捕獲頭数は九州をはじめ8割の都道府県で増えており、イノシシでは地球温暖化による越冬個体の増加で、東北などで前年度を上回る被害が発生している。生産資材費の高騰などが農業経営を圧迫する中で、営農意欲の減退を招かないよう、鳥獣被害対策の継続・強化が求められる。
(2面・総合)