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餌いらず、傷つけない箱わな【9月2週号 鹿児島県】

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 【鹿児島支局】鳥獣害対策の研究に取り組む日置市の大平正さん(67)は、フェンスなど組み合わせて使う通路型の箱わなを考案。販売先で正確に作動し、現在のところ被害は出ていないという。作物を狙う野生獣は警戒心が強く、耕作地の入りやすそうな場所を探す。この習性に着目して開発したのが「誘導式両開き通路型箱わな」だ。耕作地をフェンスなどで囲み、入りやすそうに見える場所に箱わなを設置。野生獣が侵入すると前後の扉が閉まり捕獲できる仕組みだ。餌付けの必要がなく、管理の手間が少ない。価格は小動物用で6万円台から用意している。サイズは、野生獣がギリギリ通れる大きさにした。「これで箱わな内で暴れなくなり、傷が少ない状態で捕獲が可能。ジビエ(野生鳥獣肉)としての有効活用も見込める」と大平さん。9月には補助金で実証試験をする予定だ。大平さんはこれまで、鳥獣害対策に役立つさまざまな装置を実用化してきた。鳥獣害に関する情報を交換するため、メッセージ通話アプリ「LINE」が提供するチャットを開設している。▽問い合わせは大平さんへ=電話090(9499)0877

〈イラスト:通路型箱わなは耕作地の侵入口に設置(提供=大平さん)〉