▼コロナ禍で迎えた3回目の夏休み。子どもたちはどのように過ごしただろう。行動制限こそなかったものの、第7波で感染者数は全国的に高位で推移し、天気は大雨になるか猛暑になるかという極端な経過で、行楽に出かけるのは難しかったかもしれない。ただ、2年間も3密回避や行動自粛を強いられたのだ。せめて開放的な環境で発散する機会を作ってあげたい。
▼子どもたちが気になったのは、夏休み明けに増えるという自殺を防ぎたいと考えたからだ。厚生労働省によると、小・中・高生の自殺は一昨年が過去最多、昨年は過去2番目の多さだった。しかもコロナ禍が始まった一昨年に急増している。
▼自殺者数はコロナ禍前から増加傾向にあり、背景にいじめなど子ども社会の問題があるのは確かだろう。専門家によると、そこにコロナの感染拡大で3密回避の対応などが求められ、ストレスが重なった。多くの大人も不安やストレスを抱えているのだから子どもも例外ではない。
▼厚生労働省は、関係省庁や自治体などと連携し、子どもや若者を対象とした啓発活動などを強化している。電話のほか、親しみやすいようSNS(交流サイト)による相談窓口も用意した。「まもろうよこころ」でネット検索すれば窓口のサイトに行ける。もう一つ、周囲の大人や友達が普段と違う表情や行動などのサインに敏感になることも大事だ。「休んでいい」「逃げていい」と伝えよう。