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落花生の産地化へ前進【8月1週号 山形県】

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 【山形支局】"美しい町で育つビューティフルなピーナツ"として名付けられた金山町産の落花生「ビーナッツ」。同町は、山形大学東北創生研究所、株式会社でん六との三者で地域農業振興協定を締結。2018年6月には、東北に落花生の一大産地を築こうと、生産者団体による金山町新産地開発協議会(会長・青柳栄一さん=62歳)が設立され、産地化への取り組みが着実に進められている。同町の黒土で生産する落花生は甘くて風味が豊か。ビーナッツは、さやが白くてきれいな点も特徴だ。品種は「ナカテユタカ」で、5月に播種し、9月中旬から掘り取っていく。その後はハウス内で1カ月以上乾燥させる。青柳さんは「播種や収穫の時期が稲作と重なるが、管理は除草などの軽作業が中心なので、それほど負担には感じない」と話す。同協議会では、日本財団「わがまち基金」と国の「地方創生推進交付金」の交付を受け、加工機材を購入し加工所を設立。栽培に必要な農機具類を生産者に貸し出す。栽培方法がマニュアル化されているため、初心者でも栽培が可能だという。今年は、青柳さんが代表を務める農事組合法人「いずえむ」を中心に、町内の18戸で4ヘクタールを栽培。12トンの収穫量を目指す。収穫した落花生の大部分は茨城県の業者が1次加工の殻むき作業をして、でん六へ出荷。同協議会も加工を手がけ、看板商品の「殻付きビーナッツ」はすべて2粒入りで統一した。ビーナッツは同町のマルコの蔵や新庄市のゆめりあなどで販売する。生産者が増えたことから、今年から通年での販売を予定。業務用として県内のホテルや洋菓子店の原材料としても出荷している。「ビーナッツで町を元気にしたい」と青柳さん。「金山町を訪れてくれた人に喜んでもらえるように、落花生を活用した土産品など新たな商品開発もしていきたい」と話す。

〈写真:落花生の可能性を信じ、町おこしを目指す青柳さん〉