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大豆新品種「えんれいのそら」で実収量の増加へ【7月4週号 福井県】

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 【福井支局】「大豆の新品種にチャレンジすることで、品質向上や収量増加に期待している」と話すのは、福井市菖蒲谷町の農事組合法人メガファーム鶉〈うずら〉の理事を務める辻脇俊和〈つじわき・としかず〉さん(73)。今年から16ヘクタールの圃場で大豆新品種「えんれいのそら」の栽培を始めた。同ファームは、2015年に五つの経営体が統合して設立された。農地集約によるコスト削減や省力化を重視した大規模経営に取り組んでいる。えんれいのそらは、莢〈さや〉がはじけにくい難裂莢性〈なんれっきょうせい〉遺伝子をDNAマーカーで選抜しながら、北陸地域の主力品種「エンレイ」を5回戻し交雑させて開発された品種。自然裂莢による減収が少ないのが特徴だ。同ファームでは、これまで晩生の「里のほほえみ」を栽培していたが、収穫適期に長雨に遭うことが多く、刈り遅れによるしわ粒などの品質低下が問題となっていた。栽培する品種の一部を中生のえんれいのそらに替え、成熟期の分散による作業効率化と、難裂莢性を生かした実収量の増加を目指すことにした。辻脇さんは「えんれいのそらの栽培面積を30ヘクタールまで拡大していきたい」と新品種に期待を寄せている。

〈写真:えんれいのそらの栽培圃場は2.5ヘクタールを超える。「天候には勝てないが、新品種の難裂莢性の特性に大いに期待している」と辻脇さん〉