ヘッドライン一覧 購読申込&お問い合わせ 農業共済新聞とは? 情報提供&ご意見・ご感想 コラム防風林

備えて安心「園芸施設共済」【7月2週号 石川県】

220714_3.jpg

風雪害対策を徹底
石川県能登町  田原 義昭〈たはら・よしあき〉さん(72)
 能登町のモデル農場を定年退職した後に就農し、トマトをメインに野菜類を13年間栽培しています。2020年12月に能登地方を襲った大雪は、水分が多く重い雪が短時間で積もり、ハウス5棟が全壊したため、園芸施設共済の共済金を受け取りました。野菜栽培が滞ると、経営には大きな痛手です。野菜苗の育苗ハウスから順に建て直しました。台風などの強風対策としては、ワイヤでつり下げ誘引をして、収穫前のトマトの重みでハウスを安定させています。再建後は単管パイプを利用し、3メートルごとに中柱を設置して雪害に備えています。ハウス同士の間隔を通常より広くして、除雪機の通り道を造ったので、小まめに除雪できるようになりました。ゆとりがあるので、屋根から落ちた雪がハウスの側面を圧迫しにくくなります。消費者に「おいしい」と言われる野菜作りは、土が命です。手作りのボカシ肥料は温度管理や毎日の撹拌(かく はん)を欠かさず、45日かけて発酵させています。土壌の固相(土の粒子)、気相(空気)、液相(水分)のバランスを、作物・微生物にとって好ましい状態に整えることで、病害を防ぎ、食味が良くなります。そのため、土壌分析を専門家に毎年依頼し、足りないものを補う肥料設計を徹底しています。能登町柳田は、雪深く、風当たりが強いです。風雪害への対策はもちろん、万が一のときのことを考えて保険に加入することが大切だと思います。
 ▽トマト、キュウリ、野菜苗(5棟4.7アール)、ブルーベリー13アール
 (石川支局)

〈写真:妻の博子さん(70)は収穫を担当。「『今までの経験を生かしたら』と、就農を勧めてくれたのは妻です」と義昭さん〉