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捕獲器改良、そば粉を餌に ジャンボタニシ減少【7月2週号 長崎県】

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 【長崎支局】ジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)による水稲の食害に悩まされてきた諫早市高来町の松永孝典さん(72)は、そば粉を活用して捕獲に取り組んでいる。「簡単に作ることができて、一定の効果があると思う」と話す。インターネットなどで対策法を調べると、育苗箱やペットボトル、米ぬかを使用した捕獲器が掲載されていたため、製作を試みたという。水田の水口に設置したところ、餌が崩れて水に流され、捕獲器に入ったジャンボタニシが逃げてしまった。崩れやすい米ぬかの代わりに、そば粉と小麦粉を1対1で配合し、手でこねてピンポン玉ほどの大きさにして捕獲器に敷き詰めた。試作時は3カ所だった入り口を2カ所に変更し、返し部分はペットボトルからクリアファイルに代えるなど改良を重ねた。松永さんが代表を務める有限会社たかき(従業員4人、ソバ12ヘクタール、水稲1.2ヘクタール、麦1ヘクタール、アボカド40アール、ユズ15アール)では、自社運営の食事処で「幻の高来そば」を提供。そば粉を製造する際に出る製品にならない部分をジャンボタニシ対策に利用した。「約20アールの田んぼで、田植え後すぐ水口付近に2箱を設置し、水を切るまで管理します。設置当初は約2日に1回は餌を置き直し、その後様子を見て餌を追加していくと、ジャンボタニシが徐々に減りました」と松永さん。多いときで1箱に2キロほどのジャンボタニシが入っていたという。「栽培面積が広く人手が少ないため、ジャンボタニシの食害対策には苦労してきました。細かい管理も難しい状況だったので、捕獲器のおかげで手間が省けていると思います。食害が減り、より良い米作りができれば」と期待する。

〈写真:改良した捕獲器に入ったジャンボタニシ〉