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メンマつくり隊が活躍 放置竹林の解消へ【6月3週号 山形県】

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 【山形支局】「地域の特産品を生み出し、放置竹林の解消につなげることができれば」と話すのは、山形市の村木沢地区振興会で会長を務める加藤昇〈かとう・のぼる〉さん(67)。同振興会では、人口減少や裏山の荒廃などの問題解消に向け、「裏山探検~村木沢の宝再発見~」をテーマに、メンマ作りなどの活動を展開している。テーマの一つとして取り組むメンマ作りは、地域の生産物を生かした特産品を作り出す目的で実施し、今年で3年目。同振興会メンバー約10人で結成した「メンマつくり隊」が、原材料のモウソウチクの採取から加工までを担う。同地区では、放置された竹林が年々広がり、農地への影響やイノシシによる被害が問題となっていた。そこで、成長が進み、生では食べられなくなったモウソウチクを活用したメンマ作りを始めた。タケノコ掘りのシーズンが終わる5月中旬に、1~1.5メートルほどに伸びたモウソウチクを採取し、皮をむいて約20センチにカット。その後、砂糖を加えて湯がき、乳酸発酵、天日干しの過程を経てメンマが完成する。2年前に初めて手がけた際は、加工段階で雑菌が混入してしまったことから、県農業総合研究センターから発酵手順などの指導を受けた。その後、漬物樽で発酵させる際はビニールを敷き、モウソウチクを隙間なく詰めるなど、加工技術を改良。昨年は歯ざわりの良いメンマを作ることに成功したという。専用の加工所が必要となるため商品化は未定だが、活動に興味を持った団体や企業に作り方を普及している。メンマつくり隊の隊員・広谷幸江〈ひろや・ゆきえ〉さん(66)は「竹林の管理に困っている方たちに、メンマ作りを広げていきたい」と話す。同振興会では、自然を生かしたサイクリングコースの設定や、史跡とパワースポットを巡るウオーキングマップ作成などの活動にも取り組む。「どれも村木沢の魅力を感じられる活動になっている。ぜひ足を運んでいただきたい」と加藤さん。今後も地域活性化に力を入れていきたいと考えている。

〈写真:メンマに加工するモウソウチクを隊員らと採取する加藤さん(右)〉