ヘッドライン一覧 購読申込&お問い合わせ 農業共済新聞とは? 情報提供&ご意見・ご感想 コラム防風林

キンド酵素活用の良質イチゴ【6月2週号 佐賀県】

220616_6.jpg

 【佐賀支局】みやき町で「Nakayama Farm KASAKOYA」を経営する中山菜穂さん(44)は、水稲1ヘクタール、イチゴ13アール、パッションフルーツ6アールを栽培。イチゴは「キンド酵素栽培」(※)に取り組み、良質なイチゴを生産する。農業を始めたきっかけは嫁ぎ先が農家だったこと。最初は勤めながら義父の農作業を手伝っていた。栽培には前職の肥料開発の経験を生かし、技術などは義父や知り合いのイチゴ農家に教えてもらいながら身に付け、義父の経営を引き継ぎ就農した。「ファームの名前の由来は『かさこじぞう』から来ています。家を留守にして帰ってくると野菜などが玄関前に置かれていることがあり、地域の人たちはお裾分けで感謝の気持ちを伝えていたと思います」と中山さん。同ファームではイチゴやパッションフルーツの収穫、パック詰めを家族やパートが作業し、米作りでのトラクターや田植機などの操作は夫が担当。外作業など力仕事は近所の若手農家に手伝ってもらっている。中山さんの育てた作物は客から「おいしい」と評判で、週3日開く直営店には常連の人もいる。商品は同ファームの直営店やインターネットで販売するほか、ふるさと納税の返礼品にもなった。また、加工会社に依頼し、「中山さんちの自然そのまんまアイス」「いちごクレープアイス」「パッションロールケーキ」などを製造。中山さんは「心のこもったおいしい農産物を提供したい」と話す。中山さんは「今後の目標は継続です。経営を大きくすることも大事ですが、まずは継続できるように健康面でも無理をしないようにやっていきます」と意気込む。
 ※キンド酵素栽培=キンド酵素は124種類の微生物が入った資材。土壌にキンド酵素や堆肥、米ぬかなどを混ぜ合わせることで、土の中の微生物を活性化させ、新たな栄養を作り出す栽培法。

〈写真:イチゴの生育状況を確認する中山さん〉