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防風効果高く せん孔細菌病を抑制する多目的防災網【6月1週号 新潟県】

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 【新潟支局】新発田市横山にある髙橋農園の髙橋健太さん(64)・幸子さん(57)夫妻は、モモ(スモモを含む)45アール、ナシ50アール、ブドウ75アール、リンゴ110アールのほか、水稲1.6ヘクタール、水稲育苗ハウスを活用したトマトなどの野菜や、休耕田を活用してフキノトウの栽培にも取り組む。現在、多目的防災網施設を利用したモモの栽培に力を入れている。園全体を多目的防災網で覆うことで、多方向に対する高い防風効果が得られるほか、慣行の薬剤防除との併用で、せん孔細菌病の発病を大幅に抑制できるという。「多額の設備投資が必要でしたが、安定生産が実現できれば採算が取れると確信して取り組みました」と髙橋さん。同技術は、県農業総合研究所園芸研究センターが2019年度に発表し、県内では髙橋さんだけが取り組んでいる。同農園では、米は主にJAに出荷し、果実や野菜は自ら運営する直売所のほか、JAや商業施設のインショップなどでも販売。果物や米、加工品は新発田市のふるさと納税の返礼品にもなっている。直売所の販売と加工品の製造は幸子さんの担当で、ジャム、ジュース、コンポートなどは同農園の果実が原材料だ。髙橋さんは「就農当時は父から引き継いだブドウ、リンゴ、ナシで取り組んでいましたが、現在は5本の柱プラスアルファで、新たな作物栽培を日々模索しています。今後はリンゴやナシでも多目的防災網施設を取り入れられれば」と意欲的だ。

〈写真:「多目的防災網で覆うことで、暴風に対して高い効果がある」と髙橋さん〉