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ギョウジャニンニク増産へ 株分けで栽培期間を短縮【5月4週号 福井県】

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 【福井支局】勝山市長山町の門善孝〈かど・よしたか〉さん(72)は、6アールの畑でギョウジャニンニクを栽培。通常は出荷まで5年以上かかるが、株分けすることで、栽培期間を短縮することができた。畑がある同市北谷町は、過疎化に伴い耕作放棄地が増加し、一部は林地のようになったという。門さんは増えていく放棄地を活用しようと、2014年に同町の山中に自生するギョウジャニンニクを株分けし、放棄地に定植し始めた。ギョウジャニンニクは、半日陰で低い気温と水気の多い場所を好む多年草。獣害や積雪に強く、手間があまりかからない作物で、栽培方法が分かれば簡単に作付けできるという。県内ではギョウジャニンニクが認知され始め、新たな特産品になるよう、栽培を希望する同町の農家10人に株分けするなど、生産規模の拡大に努めている。出荷は5月上旬で、主な販売先の北谷町コミュニティセンターでは、地元の住民だけではなく観光客にもよく売れているという。門さんは「より簡単な栽培方法を見つけ出すとともに、ギョウジャニンニクの活用法の研究にも取り組み、耕作放棄地の減少につなげていきたい」と意気込む。

〈写真:「多くの人に買い求められていると聞き、栽培の励みになっている」と除草に精を出す門さん。ニンニク風味の葉や健康づくりへの活用法なども研究する〉