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うれしい声や要望が励み 野菜直売所のメリット発揮【5月1週号 石川県】

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 【石川支局】有限会社安井ファーム(安井善成代表取締役社長)は、白山市七郎町でブロッコリー、水稲など北陸最大規模の複合経営に取り組む。自社産の野菜を販売する直売所「花蕾屋(からいや)」を2019年にオープン。主力商品のブロッコリーを中心に、多いときで20種類の野菜が並ぶ店内は、味が濃く、おいしい野菜を求める客でにぎわう。同社は栽培面積ベースで石川県産ブロッコリーの約3割をシェアし、年間約190万株を出荷する。直売所店長の鈴木良輔〈すずき・りょうすけ〉さん(39)は「『安井ファーム=ブロッコリー』ということを発信し、何をしている会社か知ってもらえるのが直売所のメリット」と話す。「ここの野菜しか食べられないと言ってくれる常連客もいる。手をかけて作ったものが売れるのを直接見られるのがうれしい」。店内や商品の写真と最新情報を写真共有サイト(インスタグラム)で発信している。1800人余りがフォローし、地元以外の集客につながった。農業体験も実施する。春と秋の年2回で、今年の春はジャガイモを植えた。畑は区画貸出制で、鈴木さんが管理する。親子連れや友人同士など幅広い層に人気があるという。今年3月にはインターネット販売を開始。オンライン購入を希望する消費者の声に応えた。まずはブロッコリーから始め、商品の種類を徐々に増やす予定だ。「子どもが野菜を食べられるようになったなど、うれしい声や改善してほしいことまで、さまざまな声を聞く。声を直接受け取れるのが直売所の良さ」と鈴木さん。今後はインターネット販売を充実させるほか、イベントに積極的に出店し、さらなる集客を目指していくという。

〈写真:接客中の鈴木さん。おいしい食べ方を伝えるなど、コミュニケーションを大切にする〉