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ハウス土耕イチゴ 細心の管理で着実に増収【4月4週号 岐阜県】

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 【岐阜支局】「お客さんに『おいしかったで。また買うわ』と言ってもらえたときがうれしいです」と話すのは、関市東田原の寺下三紀さん(32)。夫の光さん(32)と10年ほど前から二人三脚でハウスイチゴ20アールを栽培する。三紀さんの実家は水稲農家で、もともと農業に関心があり、県農業大学校でイチゴを学んだことがきっかけとなり、研修期間を経て就農した。光さんは三紀さんと同じ農業大学校でトマトを学んでいたが、イチゴ栽培のやりがいに引かれて一から勉強。三紀さんと共に就農した。イチゴは3月から9月に育苗、11月下旬から5月ごろにかけて収穫する。「自然が相手なので、そのときの気候に合わせて肥料や水、温度の管理など大変なことが多いです。日頃の管理の積み重ねで、収量が増えてくるのが実感できたときがうれしいですね」と三紀さん。土耕栽培に取り組む三紀さんは「最近は高設栽培が多いが、ハウス土耕は環境の影響を受けにくく、株が丈夫で安定しています」と話す。土壌診断をベースに足りない成分を補い、土壌消毒や肥料による発酵など、イチゴの生育に最適な環境をつくり上げる。日々の勉強と経験を重ねた結果、就農した頃に比べ最近の収量は1.5倍ほどに増えた。光さんは「高級路線が求められることはありますが、気軽にたくさんの人に味わってもらえる果実を作りたいです」と話す。初詣で「イチゴがたくさん取れますように」と願った三紀さん。「(光さんには)健康に気を付けてもらい、末永く二人でやっていきたい」とはにかむ。

〈写真:取れたてのイチゴを手に笑顔の三紀さん〉